ネパールでの大地震。
知った街や観光地の被害が大きい。僕等が4月の頭に行ったエベレストベースキャンプでも雪崩の被害が出ている。
日本の方も亡くなっている。多くの知り合いがいる。
エベレスト街道で会った日本人の人達は無事なのか。途中であったエベレスト登山隊は無事ということだが、
去年に引き続き登山は不可能だろう。
僕等は4月24日に日本に帰ってきた。本来なら4月23日までカトマンドゥに滞在する予定だったが、
中国に寄って帰ってきたので、カトマンドゥを4月18日に発った。
震災は4月25日。運が良かったと思うのは不謹慎かもしれないが、僕等は全く被害に遭っていない。
僕等はネパールの現状をある程度わかっているつもりです。
日本人から見ればネパールは普段からかなり劣悪な環境、脆い建物、不衛生な水・食料、不十分な電気、下水、ゴミの中で生活していると思う。
インフラが機能しなくなった。亡くなった多くの人々が行き場所が無いので道に横たわっている。
感染症の心配は本当に深刻だと思う。
ネパール人はもちろんより、観光客の健康被害がこれから大きな問題になってくるはず。
最初数百人の犠牲者が出ていると発表になっていたが、僕等は真っ先にその数十倍の犠牲者が出ると容易に予測できた。
被害はこれだけでは収まらない。今はわずかばかりの義援金しか僕等にはできない。
一刻も早い復興をお祈りします。
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4月3日(金) エベレスト街道トレッキング 10日目
6:30起床。頭痛もめまいも無く、完璧!熱も無い。少し鼻水がでる。寒いので仕方無い。
ネパールの緯度は日本の沖縄と九州の間くらい。100m標高を上げると0.6℃気温は下がる。
今は標高4200mにいるので、約25℃日本より気温が低いことになる。
これから5500mまで上がるので、さらに日本より33℃低くなる。
朝方はかなり冷える。フリースを着て寝袋に入り、ダウンジャケットと布団をかけてもまだ寒い。
朝起きてから支度するとき、手が冷たくて痛くてヒーヒー言ってしまう。
洗濯をする際には、痛い以外の感覚が無くなる。氷河の雪解け水で洗濯をする。服を絞ってると、発狂しそう(泣)。
空気は乾燥しているが、寒いので乾きは悪い。ほとんどの服は、洗わない。
僕の場合、靴下とパンツは2〜3日履いたら洗うが、それ以外は臭くなるまで洗わない。というか、大きい服は洗えない。
基本、トイレは部屋に無く、夜中でも外に出て行かなければならない。
高山病予防のために水を1日3〜4L飲まなければならないので、夜中に2〜5回部屋の外のトイレに行く。寒いし苦痛。
食事はマァマァ良い。全ての山小屋がほぼ同じメニューなので飽きはくるが、小屋ごとに味が違うので楽しい。
朝7時半~8時半の間に出発し、15時頃に次の山小屋に着く。
身体を拭き(ちなみに冷水シャワーを浴びたのは8日前。それ以降顔を洗えたのが2回。これから先6日間くらいは冷水シャワーすら浴びれない可能性が高い。)
広間で暖房のつく時間(17時ころ)まで待ち、18時に夕食、日記を書き、20時前後に就寝。
この繰り返し。
ここで考えた。
夢にまで見た憧れの山々は運良くほぼ全て良い感じに見れた。
異常に広大な環境で何日間もトレッキングできた。
想像以上のスケール。想い描いていた以上の景色。
今後、人生においてこれ程のトレッキングができるのかわからない。心から満足。
もう、大満足なのだ。
大満足してしまった事を、あと最大9日間繰り返したいか?
正直、あまり求めていない。
何か達成できるものがあるわけじゃ無いし、同じような異常な程素晴らしい景色を毎日見て、同じような涙が出そうな程の感動を味わう。
これが、快適な生活環境だったら誰もが何十年もここにいたいと思うだろうが、日本に比べたら何もかも不自由。
僕は満足するまでならどんな環境に居ても追い求める欲望の方が強いが、
満足してしまった後は、どんなに好きなものであってもストレスに感じてしまうのかもしれない。
実際、エベレスト街道には満足してしまった。あと9日間ここにいても同じ感動しか味わえないかもしれない。
でも、次に予定しているスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼路や、フランスとスイスに股がるオートルートやキリマンジャロは楽しみで仕方無い。
今はとにかく早く次へ進みたい。
でも、あと1つ予定が残っている。
ゴーキョピーク5500mに登り、チョ・オユーという8000m峰を見ること。
3日あればカトマンドゥに帰れるところをゴーキョピークのために最低でも8日間歩き続ける。
天気が悪ければ行っても何も見えない。
こんなことを考えつつ、ゴーキョピークの景色がこれまでの景色以上に感動的であることを期待し、今日もがんばろう!!
7:30に朝食。
高山病に効くと言われているガーリックを昨日から積極的に摂取。チャパティーガーリックバター。
チャパティー(インドやネパールでよく食べられている薄焼きのパン)の間にバターと半生のニンニク塊がしこたま挟まっている代物。
ニンニク本来の辛味がガツンと口腔内を刺激する。辛過ぎ臭すぎ。
全て平らげ、8:15トレッキング開始!
臭いで気持ち悪い。高山病は良くなったが状況は同じ。
アマダブラムやカンテガ・タムセルクと言ったこのエリアを代表する山々を見ながらの気持ち良いトレッキング!が、胃がムカムカする。
今後生ニンニク塊は控えよう。
少しずつ高度を下げながら11:00パンボチェ村に着いた。
昼食もガーリックと思っていたが、さすがに身体が拒否反応を示したので、仕方無くこの臭いにマッチする物をと思い、トマトチーズパスタにする。
期待通り素晴らしくマッチし、この後気持ち悪さが無くなり、夕食に再びガーリックを口にしたことは言うまでも無い。
12:00出発。
さらに高度を150m程下げ、ポルチェ村へ。
ここからかなりのアップダウンと強く冷たい風と雹に悩まされながらも14:30予定より30分早くポルチェ村のPhortse Resortに到着。
いつものように身体を拭き、着ているものの臭いをチェック。→許容範囲!と判断し、今日は洗濯をしない。
ちなみに服は、ヤク糞の匂いがする。
高所では薪は貴重品。特に4000mを超えると木自体が無くなるので、
燃やすものはヤクと言う巨大な毛の長い牛のような動物の糞を乾燥させて燃料にして暖をとる。
ヤクは草しか食べないし、エベレスト街道中を荷物を運んで歩き回っているので、糞がそこら中に落ちている。
これを使わない手はない。暖を取っているときは気付かないが、後で服の匂いを嗅ぐとヤクの糞の匂いがする。
みんな同じ匂い。ポーターは特に強いヤク糞の匂いがする。
16:00からいつものように暖をとるために広間へ行く。
暇なので、12星座について考える。が、どうしても1つ思い出せない。答えは羊座だった。
山羊座があるのに、何故羊座がある?わかりにくい!
思い出したり、漢字で書いてみたり。暇だとこんなことをしていても楽しい。上手に時間を潰せた。
18:15夕食。チーズピザガーリック&オニオン。なかなかボリューミー。
食後、ネパール人にネパール人に間違えられた。
どうやら僕はネパール北部の山岳地帯のネパール人に似ているらしい。
以前は韓国人によく間違えられていたが、最近は色黒になって、顔も汚く野性的になってきたのでネパール人になったのかもしれない。
でも、何故かネパール人に間違われるのは悪い気はしない。
明日の行程についてや、ネパール語についてバル・クマールとポーターのラクパと話をし、20:30就寝。
4月4日(土)エベレスト街道トレッキング 11日目
6:45起床。今日は少し暖かい。
暖かいと言ってもフリース、ジャケット、ダウンジャケット、ネックウォーマーをつけても寒いが、昨日までのようにガタガタ震える発狂する程の寒さではない。
支度がはかどるし、快腸!便通も良くなっている。
8:00朝食。タマゴサンドイッチを頂く。かなり美味い!
9:00出発。今日は約4時間の予定で標高4200mのドーレ村に向かう。
3810mのここポルツェから150m下のポルツェテンガまで下り、河を渡り一気に550m登るとドーレに着く。
雪と氷の下り坂を20分かけて150m下る。足を踏み外せばポルツェテンガまで一瞬でたどり着けるが命は無い。
慎重に、でも駆け降りる。
河を渡るとすぐに登り。最初は急な登りを200m程登る。登り切るとカンテガやタムセルクを背にしながらしばらく登りと下りの繰り返し。
途中雪と雪解け水でぬかるんで通れない道があり、歩ける道を求め森の中の道無き道を行く。
森を抜けると開けた場所に出て、ポルツェからここまでの道程がハッキリ分かる。1時間半程だが、かなりの距離を歩いてきたのがよく分かる。
ここでひかりさんがお花摘みタイム。滝の脇の人から見えない場所に行き済ませたと思ったら、何か臭う。
そこは皆んながお花を摘む場所らしく、ブツを踏んで帰ってきた。
かなり新しいブツだったのか、強い臭いがする。その後、ぬかるみや雪、小川を見つけては靴を拭っていた。
そうこうするうちに、11:45ドーレに到着。4時間の予定がたったの3時間かからずに到着。
本当はもう少し進みたいところだが、標高を400m近く上げている。次の村に着く頃には500mを超えてしまう。
1日の標高の上昇は500m以下にすべきなのでこれ以上進めない。
まぁ、良い。今日は休息日にする。
今日宿泊するHotel Thamserku Viewで昼食のトマトパスタにニンニクを混ぜてもらう。
時間が沢山あるし、まだ太陽が見えていて少しあたたかい。8日振りにシャンプーをすることにした!
バケツ冷水でやるつもりだったが、ロッヂのおばちゃんがバケツに温水を作ってくれた!ありがたい。
小さい桶3〜4杯使い頭と顔を洗う。めちゃめちゃ気持ち良い!8日分の垢が一気に落ちた。気分一新!
さっきまで飽きたと思っていたトレッキング。明日からも頑張れる!!
下着と靴下のみ洗濯し、ロビーで過ごす。
日本語の本「ヒマラヤ初登頂物語(山と渓谷社)」を発見し久々に日本語の本を読める嬉しさに浸る。勉強になった。
18:00夕食。ベジエッグフライドライスにニンニクを追加してもらう。美味い!
ちなみに今日の夕飯からツナに挑戦している。魚介類は危ないと思っていたが、ツナは缶詰。
しかも、西洋人は結構食べていたりする。回転が早ければ、ツナ缶だったら大丈夫なのではないか?
ひかりさんがツナモモを頼み食すが普通に美味い!明日の朝ごはんにツナベジサンドをオーダーした。
ここでは肉や魚介、回転の悪そうなパンも危険なので食べない。回転が良さそうなベジや米や芋やパン。
パンも古い硬くなったものを水で戻して使うことが稀にある様。特に高所はその傾向が強いらしい。
今までタンパク質は豆からしか摂っていなかったが、今後はツナからも摂れる!
夕方からチラホラ降っていた雪が本格的になり始めた。ガイドもかなり明日の天気を心配している。
僕の高度障害のために諦めたチョー・ラパスも、雪の影響で通過できずグループが引き返しているらしい。
僕が高度順応できていたらパスに挑戦していたので、危なく引き返す所だった。
とにかく、早く雪が止み明日の朝には歩ける状況になっているとありがたい。
20:15就寝
写真集
雪の壁を見ながらのトレッキング。視界が雪山だけになることも。
こういう場所を見ているといつまでも歩いていたくなる。
久々の土の道。歩き易い。
アップダウンが激しい。このあと大粒の雹が大量に降ってくる。
短時間ではあったが、顔に当たると結構痛い。
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