4月9日(木) エベレスト街道 16日目
しっかし、喉が痛い。完全に乾燥と冷たい空気にヤラレた。
6:00起床。着込んでいれば寒くない。以前ナムチェに来た時は寒くてしょうがなかった気がする。寒さに慣れたみたい。
7:30朝食。朝からエッグフライドライスを食べた。朝からこういう物は頼まない方が良いらしい。
朝食っぽいものを頼まないと後回しにされるようだ。かなり待った。
8:30出発。雲はいくらかあるが、しっかり晴れている。今日はパクディンまで下りがほとんど。標高を2650mまで落とす。
1時間程下ると川沿いまで出る。ナムチェに向かう時はこの登り坂がキツいし、急激に標高が上がるので高山病の症状が出やすい。下りは楽チン。
途中、最後のエベレストビューポイントがある。行きは残念ながら見えなかったが、今回はバッチリ見えた。
エベレストに最後の別れを告げ、再会を誓う。
遠くから見るとハートの形をした村がある。
登山者が飲むビールはこのようにしてエベレスト街道の奥まで運ばれる。
分かりにくいが、10歳にも満たない子供が大量のビールを運んでいる。
下り切ってしばらく進むとモンジョという村に出る。ここがサガルマータ国立公園の出入口。
すると、見たことがある人を見つけた。声をかけると、やはり日本人。
2年前、この場所に来るために日本で高所トレーニングをした。
代々木上原にある冒険家・三浦雄一郎さんのご子息、三浦豪太さんが経営するミウラドルフィンという低酸素室のある施設を訪れ、
標高4500m並に酸素濃度をコントロールした部屋で高所トレーニングし、一夜を過ごした。
その時にご一緒したマダムだった!
この方は2年前ミウラドルフィンでトレーニングし、日本のAG(Adventure Guides)という登山専門ツアー会社のエベレスト登山隊に参加していた。
その時一緒に挑戦していたのは、お笑い芸人の「なすび」さん。
興味があり、AGのブログを拝読し、確かキャンプ3と4の間、8000m手前で敗退していたと思う。なすびさんは頂上目前で敗退している。
「今年も挑戦するんですか?」と聞くと、
「去年も挑戦したよ。去年は登山禁止になり、挑戦できずに帰ったけど。」
皆さんも記憶に新しいと思うんですが、「世界の果てまでイッテQ」の企画でイモトアヤコさんがエベレストに挑戦し、
登山することすらできなかった。
去年、エベレストで大規模な雪崩があり、多くのシェルパ族が亡くなった史上最悪の事故があったために、登山禁止になった。
この事件により、イモトアヤコさんも、なすびさんも、このマダムもエベレストのベースキャンプまで行っていたが、登ることができなかった。
今年は3度目の挑戦だと言う。
「色んな人にお世話になってるからね。登頂するまでは諦められないのよ」と言う。
「今年もAGの登山隊ですか?」と聞くと、
「AGは至れり尽くせりで登頂成功率は高いけど、その分値段も相応だからね。
他の公募登山隊だったら2回挑戦できる。なすびさんみたいにスポンサーがいれば別だけど、
去年も今年も違う登山隊に参加している。すでに借金生活だけど。」と言う。
おそらく国外の登山隊に参加していると思う。
「AGも今日日本を出発するって言ってたから、カトマンドゥのコスモトレックに行けば登山隊に会えるかもよ」とおっしゃっていた。
僕等はカトマンドゥに帰ったら、エベレスト登山者やトレッカーが集まる有名なBARに行こうと思っている。
もしかしたらそこで日本登山隊やなすびさんに会えるかも。と、淡く期待する。
しかし、こんな異国の地の山奥で知り合いとまでは言わないが、印象に深く残っている人に出会うなんて奇跡があるもんなんですね。
今年も日本登山隊の動向をチェックしたいと思います。
(まだ正式に発表は無かったと思いますが、 各登山隊が自主的に登山を中止しています。
2年連続の中止。エベレスト登山に関わる全ての人の生活に大きな影響が出ていると思います。)
ちなみに、ここクーンブ地方には「チベタンコック」と言う鳥がいる。こんな鳥。
飛べません。丸々と太ってます。標高4000m以上をトレッキングしていると1日に1〜2匹目撃します。近くを歩いても逃げない。
去年、アイランドピークという6000m峰をある国の登山者が挑戦する際、新鮮な鶏肉を摂取するためチベタンコックを殺した。
チベタンコックはクーンブ地方では「神の鳥」と信じられており、殺すことを禁止している。
地元の人々は大変心配に思っていたが、その心配が的中し、チベタンコックを殺した翌日に
昨年の多くのシェルパ族が亡くなる史上最悪のエベレストの巨大雪崩が起きた。。。とガイドが話してくれた。
12:20前回パクディンに来た時に宿泊したSnowland Lodgeに到着。ダルバートの昼食をいただく。
その後、身体を拭き、近くのベーカリーでチョコブラウニーとプレーンドーナツを買い、
ロッヂの広間で夕食までガイドのバル・クマールやポーターのラクパに御礼の手紙を書きながら過ごす。
順調に行けば明日が別れの日になる。
18:00夕食。ベジエッグフライドライスをいただく。
そう言えば、山に入ってから今日で16日目。肉を食っていない。
インドのリシケシュにいた約2週間も肉を食っていない。
この40日間肉を食い、酒を飲んだのは4〜5日だろう。魚に至ってはツナを2回食べただけ。
人間、やればできるんですね。明日で肉酒解禁っす!!
4月10日(金)17日目
6:00起床。今日もそこそこ良い天気。トレッキングの日は全日程天気に恵まれた。運が良い。
7:30朝食。グリルチーズサンドイッチを食す。美味い。
エベレスト街道の食事はかなり高いレベルの物が食べれると思うが、
やはり下の方、スタート地点に近くなればなるほど味も鮮度も当然のことながら高くなる。
8:15出発。今日は約3時間かけてルクラに向かう。ほとんどが登り。
途中、コンデやクスムカングル、クーンビラが見える。街道の奥は激しく荒々しい山々だったのに対し、この辺りの山は落ち着く。
10:30最後の登りにさしかかる。あと15分登ったら17日間のトレッキングに終止符が打たれる。感慨深い。
10:45トレッキング終了!
2人とも大きなケガなく無事に帰ってくることができた!見たいもの全部見れた!
できなかったことは幾つかあるが、悔いは無い。17日間ひたすら歩き続けることができた自分達を褒めたい。
ルクラのEverest Plazaに本日は宿泊。
昼食にいつものようにダルバートをいただき、部屋に戻り久々の熱いシャワーを浴びる。
水量は十分ではないが、本当に気持ち良い!17日間の垢を全部落とした。
午後、外をぶらつく。日本人の女性が経営するお土産やさんを発見!
数年前トレッキングに訪れ、ルクラの男性と恋に落ち、ご結婚され、今はルクラで夫婦共々違う店を経営している。
僕はCDとブレスレット、ひかりさんはピアスとワッペンを買う。
日本人のお店らしくとても綺麗にディスプレイされ、品揃えも良い。
是非、ルクラを訪れる際はこちらに!!すぐにわかります。
その後ホテルに戻り、17日振りにWiFiを繋ぎ少し日本とコンタクトを取る。
19:00夕飯。ガイドのバル・クマールとポーターのラクパと共に。
バル・クマールとラクパはチキンカレー。ひかりさんはミックスフライドライス。
僕は肉解禁!ヤクのステーキを食す。
ステーキというよりもハンバーグに近かったが、味はなかなか良い。結構スパイシーに仕上げてある。
アチャール(ピクルス)とチリ(大きな唐辛子の漬物)等、辛い物も一緒に。
食後、4人でネパールのライスワイン「チャン」を飲む。
日本で飲んだときよりも甘みは無いが、すっきりと少し酸味のある飲みやすい白濁した焼酎。プリングルスと共に。
ここでラクパとお別れ。手紙と少しばかりのチップを渡し、別れる。
その後、ネパール人クライミングガイドに出会う。少し日本語が話せる。
この方は明日から僕らが泊まっているホテルに来るAGエベレスト登山隊に同行するクライミングガイドだ。
過去にも彼らに同行している。今回もAGには、なすびさんが参加しているが、
今回登頂できなかったらなすびは日本に帰れない、と言いながらケタケタ笑っていた。
また、来年は片山右京さんに同行してエベレスト登頂を狙うようだし、
イモトアヤコさんのマナスル登頂にも同行していためちゃめちゃグレートなクライミングガイドさんだった。
気さくな方だけど、すごい身体をしている。
明日、僕等は8時の飛行機でカトマンドゥに帰るが、できればなすびさん一派にお会いしたい。
21:30就寝。
4月11日 エベレスト街道18日目 カトマンドゥ へ
ルクラ空港はとても狭く、通常、フライトの時間ぎりぎりまでホテルで待機する。
8:00フライト予定だが、8時を過ぎても空港に向かわない。
カトマンドゥの大気が不安定で飛行機が飛ぶことができないらしい。
そうこうしているうちにルクラにも少しずつ雲が出てくる。
10:00、同じ宿に泊まっていた日本人のご夫婦が空港に向かう。
僕等は今日の3便目の飛行機。ご夫婦は2便目。
11:00、やっと僕らの順番が来た。空港へ向かう。
空港にはご夫婦もいらっしゃる。結局飛ばずにずっと待ち続けていた。
12:00、まだ僕らの飛行機が来ない。
諦めムードも出てきたが、まだ欠航のアナウンスは流れていないので昼食のパンを買いに行く。
13:00、やっと飛行機がカトマンドゥから到着!乗り込んで、すぐに出発。
大気の良いわずかな時間にできだけ多くの飛行機を飛ばす。
わずか45分程のフライト。今まで経験したことが無いくらい飛行機が揺れる。度々数十m程落ちる。
めちゃくちゃ気持ち悪くなったし、初めて飛行機で「これは墜落するんじゃないか?」という緊張感に襲われた。
無事にカトマンドゥに到着し、空港の敷地内でタクシーを捕まえると料金が高いので、空港の外まで歩き、流しのタクシーを捕まえる。
空港からタメル地区のホテルまで350Rs。
ホテルに荷物を置き、打ち上げのためにエベレストトレッカーの集まるBar『Rum Doodle』へ向かう。
三浦雄一郎さんのエベレスト登頂の慰労会や、歌手の加藤登紀子さんや元首相の橋本竜太郎さんも度々訪れるというBar。
もちろんEVEREST BEERで乾杯!
Barの至る所に足裏の形をしたプレートが飾られていて、トレッキングや登山終了後のメッセージを書いて飾る。
予約が必要なので僕等はできませんでした。
これにてエベレスト街道日記 終了。
長々とすみませんでした。お読みいただき有難うございます!
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